盲学校Q&A
【学校・学習に関するQ&A】- Q1.
- 盲学校の児童生徒は全員、目が見えないのですか?
- Q2.
- 盲学校で勉強しているのは小・中学生だけですか?
- Q3.
- 盲学校へ入るとどんな勉強をするのですか?
- Q4.
- 低視力(弱視)の場合、学習の手段はどうするのですか。
- Q5.
- 全盲の場合の学習手段はどうするのですか?
- Q6.
- 卒業後の進路はどのようになっていますか。
- Q7.
- 一般の小・中学校から盲学校に転校することは可能ですか。
- Q8.
- 高校を卒業しているのですが、盲学校に入学できますか。
- Q9.
- 視力が低下して,学習や日常生活に不便を感じるようになりました。どこに
相談したらよいのですか? - Q10.
- 近視や遠視以外で視力が低下するのはどんな場合ですか。
- Q11.
- 視力以外にどんな見え方の不自由がありますか。
- Q12.
- 遠方に住んでいます。通学に自信がないのですが。
- Q13.
- 街中で見かける凹凸のある黄色いブロックは何ですか?
- Q14.
- 全盲の人が歩くときはどうしているのですか。
- Q15.
- 視覚障害者でもコンピューターの利用は可能ですか?
【学校・学習に関するQ&A】
Q1.盲学校の児童生徒は全員、目が見えないのですか?
- A1.
- 盲学校には、「見えない」だけでなく、「見えにくい」 方も在籍しています。本校では約6割が弱視(低視力)の児童生徒です。眼鏡を掛ければ見やすくなるという人は、一般的に盲学校には通いませんが、眼鏡を 使っても日常生活に困る見え方があります。視力と視野、そのほかの視機能の障害が重度で学習や生活に困難をきたしている場合も入学の対象となります。
Q2.盲学校で勉強しているのは小・中学生だけですか?
- A2.
- 小学生・中学生だけではありません。盲学校では、それぞれの視覚障害の実態に応じた教育を、年齢段階に応じて行うことができるようになってい
ます。
茨城県立盲学校には、幼稚部(3歳から5歳)、小学部、中学部、高等部普通科(中卒課程)、高等部本科保健理療科(中卒課程)、高等部専攻科保健理療科 (高卒課程)、高等部専攻科理療科(高卒課程)があります。また、 乳幼児の教育相談を行う早期教育相談もあります。高等部理療科には社会で働いている時に視覚障害となった方も在籍しており、幅広い年齢の方が通っていま す。
Q3.盲学校へ入るとどんな勉強をするのですか?
- A3.
- 障害の実態に応じて点字や拡大教科書を使用して、一般の小学校、中学校、高等学校と同様の学習を行っています。また、視覚障害と他の障害を併
せ有する児童生徒には、能力や特性に応じた教科学習や、日常生活の力を高めたり、移動の力を高めたりする学習を行っています。
また、すべての児童生徒が障害に基づく種々の困難を克服するために 「自立活動」の学習をしています。そこで点字の学習や弱視レンズを使った学習、日常生活指導、歩行指導などの困難を克服する学習をしています。
理療科では国家試験合格を目指し、理療に関する学習が中心となります。
Q4.低視力(弱視)の場合、学習の手段はどうするのですか。
- A4.
- 視力や視野の程度によりますが、拡大教科書を使用している児童生徒が多いです。拡大教科書とは、文字や図形を拡大しただけではなく、弱視など の児童生徒に とって見やすく使いやすいように検定教科書を作り替えたものです。また、文字の読み書きには、拡大読書器やタブレット端末、弱視レンズなどの視覚補助具を 活用して学習している児童生徒もいます。
Q5.全盲の場合の学習手段はどうするのですか。
- A5.
- 点字の教科書を使用して学習します。点字の教科書は検定教科書を全盲の児童生徒に適合する内容に編集しています。地図や図形などは凹凸や点の
大きさを変えて表した触地図や立体コピーなどがあります。
また、視覚障害者用に開発された様々な補助具(作図器、ものさし、算盤など)を使って学習します。
Q6.卒業後の進路はどのようになっていますか。
- A6.
- 幼稚部・小学部・中学部の生徒は,それぞれ本校の上級学部に進学するケースが多いですが、一般の小学校・中学校・高等学校へ進学する生徒もい
ます。
高等部普通科卒業後の主な進路先は、大きく分けると進学と就労の2つのパターンがあります。進学先は専攻科、大学、訓練機関等があり、就労では一般就労と 福祉就労(訓練系と介護系)に分かれます。
専攻科卒業後は、病院・治療院・老人保健施設・ヘルスキーパー・訪問マッサージ・自宅開業等様々です。 - 【教 育相談・制度に関するQ&A】
Q7.一般の小・中学校から盲学校に転校することは可能ですか。
Q8.高校を卒業しているのですが、盲学校に入学できますか。
- A8. 高等部専攻科 【理療関係学科】
への入学が可能です。
-
社会経験のある成人の学生も数多く在籍し、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の国家資格取得を目指して、日々学業に励んでいます。
また、最終学歴が中学校の方は、高等部本科保健理療科への入学が可能です。この課程を修了すると、あん摩マッサージ指圧師の国家試験受験資格と高等学校卒 業の認定がされます。
Q9.視力が低下して学習や日常生活に不便を感じるようになりました。
どこに相談したらよいのですか?
- A9.
- 見えにくさでお悩みの方は、茨城県立盲学校内「視覚障害教育支援センター」へお問い合わせください。
- ○ 視覚障害教育支援センターでは、見えないこと・見えにくいことで困っている乳幼児や児童生徒とその保護者並びに成人の方のために、次のよ
うな相談・支援活動を行っています。
- 0歳から就学前までの見えにくさのある乳幼児については、早期教育相談を行っています。また、遠隔地に住むお子さん方の支援としてサ
テライト教室を行っています。
(茨城県立茎崎高等学校)
- 見えにくさのある小・中学校に在籍している児童生徒には、通級指導教室や定期教育相談を行っています。
- 巡回相談として、見えにくさのある乳幼児、児童生徒の在籍している諸学校や関係機関に訪問して環境整備等の助言指導などを行います。
- 0歳から就学前までの見えにくさのある乳幼児については、早期教育相談を行っています。また、遠隔地に住むお子さん方の支援としてサ
テライト教室を行っています。
Q10.近視や遠視以外で視力が低下するのはどんな場合ですか。
- A10.
- 弱視(見えにくさ)の主な眼疾患
- 未熟児網膜症
網膜血管の発達が終わっていない時期に、胎児が予定より早く生まれた場合は、網膜の血管は途中までしか伸びていません。血管の伸びが途中で止まってしま い、血管が枝分かれしたり、眼の中心に向かって伸びたりと異常な発達をすることがあります。これによって網膜が剥離してしまい、視力や視野に障害が生じま す。
- 視神経萎縮
視神経の病気や緑内障、外傷によるものや遺伝による先天性のものなどが原因で、視神経が障害された結果、視神経線維が萎縮して機能しなくなった状態で す。
- 緑内障
眼圧が上昇することで視神経に異常が起こり、視力や視野の障害が引き起こされる病気です。周辺部から徐々に見えなくなっていきます。
- 網膜色素変性症
網膜の光を感じる細胞に異常が生じる病気です。網膜の機能が低下していく進行性の病気です。
《 弱視の見え方 》
ピントがあっていない。 - 未熟児網膜症
-
羞明がある。 -
混濁がある。
-
視野狭窄(中心暗点) -
視野狭窄(周辺から)
Q11.視力以外にどんな見え方の不自由がありますか?
- A11.
- 視覚機能とは、視力・眼球運動・両眼のチームワーク・調節機能などの
入力機能と脳の中で視覚情報を認知・記憶・イメージする処理機能の二つを総合した機能のことを言います。具体的には、視力以外には視野、眼球運動、色覚、 光覚、両眼視、調整力を言います。
Q12.遠方に住んでいます。通学に自信がないのですが。
- A12.
- 寄宿舎があります。通学困難な方以外でも、教育的配慮から入舎を希望することができます。(ただし、健康上の理由から宿泊は難しいと判断され る場合は除きます。)食費など寄宿舎居住に伴う経費が必要ですが、家族の収入等に応じた補助制度(就学奨励費)があります。 【寄宿舎のページへ】
Q13.街中で見かける凹凸のある黄色いブロックは何ですか?
- A13.
- それは点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)で す。視覚障害者が安全に歩けるよう、地面や床面に敷かれているブロックプレートで、ブロックの突起を足や白杖などで確認することで情報を得ることができま す。そのため点字ブロックの上に物が置かれていたり、自転車や自動車が停められていたりすると大変危険です。 【点字ブロックキャンペーンのページへ】
Q14.全盲の人が歩くときはどうしているのですか。
- A14.
- 全盲の人が歩く手段としては晴眼の方の肩や肘、手首等
に触れながら歩く手引き歩行,白杖と呼ばれる視覚障害者用の白い杖や盲導犬を使用して,単独で歩く方法があります。手引きでの歩行か、単独で歩行するかは
その人の状況や周囲の環境によって選択されることですので、どちらが良いということではありません。本校では授業の中で、白杖の基本操作についての指導を
取り入れています。
Q15.視覚障害者でもコンピューターの利用は可能ですか。
- A15.
- 「スクリーンリーダー」と呼ばれる画面読み上げソフトを用いることで全盲や弱視であっても、パソコンは使用可能です。弱視者が使用する際には
パソコンの基本ソフトに搭載されている画面の拡大機能や白黒反転の機能を用いることができます。
また、最近ではタブレット型コンピューターも各種アクセシビリティー機能を基本搭載しており、視覚障害者が日常生活の補助具、学習の支援ツールとして活用 が始まっています。
Q16.視力が低下して、学習や日常生活に不便を感じるようになりました。どこに相談したらよいのですか?
- A16.
- 茨城県立盲学校にお問い合わせ下さい。本校では 「学習相談」 を行っています。乳幼児の発達相談をはじめ学習や日常生活訓練、進路相談にも応じています。電話連絡をいただければ、ご都合に合わせた日程で来校いただく か、あるいは職員が出向いて相談に応じます。各学校への巡回相談も可能です。