情報保障機器の活用例

  OCRソフトを用いて活字文書を読む

〔準備が必要な機器〕 パソコン,スキャナー,OCRソフト(一般向け,視覚障害者向け)

 OCRとは,Optical Character Readerの略です。日本語でいうと光学式文字読 取装置といいます。印字された文字を光学的に読み取り、前もって記憶されたパターンにより文字を特定し、文字データを入 力する装 置のことです。

 ここでは,パソコンに接続したスキャナーから読み取った文字データを認識するOCRソフトについて説明していきます。

 このOCR技術を用いた読書システムについては10数年前から視覚障害者向けに開発が行なわれてきました。当初は100万円前後もするソフトと機器が必 要でしたが,現在では市販のスキャナーとパソコンを用いて行なえるようになりました。

 OCRソフトとしては一般向けのものと,視覚障害者用に開発されたものとがあります。一般向けのもので,スキャナーに付属しているソフトでもスクリーン リーダーで操作可能です。ただ操作がやや煩雑になるため,初心者の方にはお勧めできません。

 視覚障害者用に開発されたソフトは,数種類販売されていますが,紙の向き(縦横)を判別してくれる,弱視者用に拡大読書機能が付属しているなど,視覚障 害者に使用しやすいものとなっています。

 視覚障害者用OCRソフトを用いれば,印字されたものであれば,ほぼ正確に内容を把握することが可能です。ですので,このOCRソフトを用いれば,活字 をそのまま読むことが難しい人であっても,活字の本を読むことが可能です。

 OCRソフトでは新聞のように段組が複雑なもの,手書きの文書などは内容を正確に読み取ることは期待できません。

 最近では,個人向けに本のスキャンサービスを提供する業者も出てきており,そのようなサービスを利用すれば,スキャナーをかける手間を省くことも可能に なっています。